黄緑
チュロたんのお誕生日祝い☆

 
     
 


青々と若葉の茂る木々を見上げて、桜の季節が終わったことを実感する。
今年もまた、もうすぐ試合の日々が始まろうとしていた。
去年のインターハイ。
神奈川代表として出場できた。
東京に負けず劣らずの激戦区だけれど、キセキと呼ばれた選手のいる学校は海常だけだった。
東京は、違う。
3つもある。
インターハイに行けるのは2校のみ。
今の、緑間と対戦したら勝てるだろうかと、時々シミュレーションするけれど、答えは出ない。
ただ、対峙したときの緑間は、きっと、美しいのだろうとだけ、思う。
なにもしていなくても、こんなに見惚れてしまうのに。
「なんなのだよ」
隣りに立つ緑間を見過ぎてしまった。
横顔も鼻筋も輪郭も。
会うたびにきれいだと思う。
「なにがっスか?」
緑間が眉間に皺を寄せているけれど、知らないふりをする。
毎日会えるわけじゃないのだから、会えたときくらいその顔をずっと見せてほしいと思う。
「やかましいのだよ」
「オレ、なにも話してないじゃないっスか!」
むしろ、静かにしていた方だ。
「視線が、うざい」
「ひどっ!少しくらいいいじゃないっスか!久しぶりに会えたんスから、緑間っちの顔見たいんスもん」
「……」
ますます嫌そうな表情へと変わっていく。
「きれいな顔なのにもったいないっスよ」
それでも、自分の一言一句で表情が変わるところが見られるのは、とても嬉しい。
黄瀬は、にこにこと笑って、緑間を自分の方へと引き寄せた。
「そんな顔してると、キスするっスよ」
してなくてもするけど。
緑間に反論する隙を与えずに、両頬を包むように抑えて唇を重ねた。
今は、こんなにも近い。
自分で選んだから後悔はしていない。
だからこそ。
試合で対峙してみたいと願わずには、いられなかった。
「黄瀬」
「ん?」
「きれいなのは、オマエのほうなのだよ」
緑間が妙に真剣な顔で言うので、黄瀬は首筋から耳の先まで一気に熱が上がったのを感じた。
(それは、卑怯……)
たぶん、自分は、今、真っ赤になっているだろう。
「な、なんで、そんなこと、簡単に言うんスか!」
「簡単に言ったのは、オマエが先だろう?」
口元を緩めた緑間にちゅっと頬へとキスされた。
「……どこで覚えてくるんスか」
「オレはオマエしか知らないのだよ」
余裕を見せて笑う緑間に悔しさを覚えながら、それでも嬉しいと思うのだから、どうしようもない。
試合で対峙してみたいと思うけれど、ちゃんと切り替えることができるだろうか。
そんな不安が胸をよぎった。
「負けないっスよ」
「……何の勝負だ」
呆れる緑間を抱き締めて、黄瀬は笑った。



終わり



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20140508
チュロたんハッピーバースデー☆


 
     
 

2014/05/08