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青緑 |
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| 藍さんへの誕生日祝い☆ | ||
緑間が体育館に一人居残って、シュート練習をする姿も随分見慣れた。 厳しい練習の後、さらに練習をしようとする緑間を呆れた視線で見送っていた部員たちにもそれが日常の風景にまぎれるようになった。 真っ直ぐに、高度を上げ、ゴールに突き刺さるようなシュート。 それは、緑間が黙々と練習を続けた結果である。 「前より早くなってんだろ?」 他者を寄せ付けない背中に声をかけるのは、集中力を乱そうとしてのことだ。 マイペースに、自分で自分へのノルマをこなしていく。 「オマエのジャンプ力に対抗するためなのだよ」 「うそつけ」 瞬時に否定すれば、緑間の肩が少しだけ揺れた。 (機嫌いいな) 青峰は、飽きもせず緑間がスリーポイントシュートを撃つのを眺める。 早さ、高さ、正確さ。 ボールを両手で持って、放つ。 一連の動作に無駄は一切ない。 そして、青峰は、緑間が一週間ごとに一歩ずつゴールから離れているのを知っている。 真面目で口煩い努力家は、自分の能力を伸ばすことに貪欲だ。 静かに、熱い。 「なあ、緑間」 体育館に響く、ボールの音。 それから、青峰の声。 背後からその背中を抱き締めれば、腕の中におさまる薄さに驚く。 汗で濡れたTシャツが貼りつき、背中の形が浮きでた。 腰から胸元へと手のひらを滑らせれば、びくりと緑間の身体が震える。 「やっ…」 その反応に、ぞくぞくと背筋に電流のようなものが走った。 目の前の色白いうなじにそっと唇を落とし、ぺろりと舐める。 「青峰っ」 荒げる声に動揺が見えるから、どんな顔をしているのかわからないのが残念だった。 「甘くねえのな」 「当たり前だ、バカが。放せ、離れろ」 「いやだ」 緑間の肩に頬を寄せて、逃れようと暴れる身体をさらにぎゅうっと抱き締めた。 伝わる体温が気持ちいい。 「青峰」 呼ぶ声。 緑間の声が好きだった。 細かいことをいちいち指摘されるのは煩いと思うけれど、それがなくなると落ち着かない。 抵抗しても無駄だと悟ったのか、青峰の腕を掴む緑間の手が緩む。 (バカだな) そんな優しさなんて、逆効果だ。 「緑間」 耳元で囁くように名前を呼ぶと、耳から首筋がじわじわと赤く染まっていく。 その反応は反則以外、何物でもない。 (期待…すんじゃねえか) ほんのり色付いたうなじにもう一度ちゅっとキスをして、青峰はとんっと突き放すように緑間から離れた。 「なんなのだよ」 困惑を隠せない表情で緑間が振り返る。 「なんでもねえよ」 そう答えれば、顔が赤いのだよと指摘されてしまう。 「なあ、まだ帰らねえの?」 「オマエのせいなのだよ」 緑間は手のひらでべしっと青峰の額を叩くと、落として転がったボールを拾って、その場からシュートをした。 ボールは真っ直ぐゴールに吸い込まれていく。 緑間は変わらない。 きっと、これからも真っ直ぐにゴールへボールを撃ち続けるのだろう。 2点より3点がいいに決まっていると言いながら。 それが、何よりも安心できた。 「緑間」 ゴール下に駆け込んで、そのボールを掴んで、青峰はシュートをする。 「好きだ」 真っ直ぐに緑間を見詰めて言う。 驚いたように目を見開く緑間に近付いて、唇に触れた。 緑間からの返事はなかった。 終わり |
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2013/06/19 |
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