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恋愛中 |
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『恋愛をしていますか?』 雑誌の読者からの質問メール。 高校生になったからか、やたらと恋愛関係の質問が増えた。 いつも答えは同じ。 「バスケとモデルのお仕事で毎日がいっぱいいっぱいで恋愛をしてる暇なんてないっスよ」 本当の事なんて言わない。 言う必要もない。 片思いだし。 「デートする時間もとれないんスから」 本当に好きだから、無理矢理時間を作って、無理矢理会いに行くけど。 会いたいのを我慢するなんてできない。 寝不足より疲労より会えない事の方がストレス溜まる。 会えたら、疲れとか悩みとか吹き飛んでしまう。 それくらい威力があるから。 (遠距離恋愛なんてムリ) 今も似たようなものだけれど。 それでも、会いに行ける。 (なんでこんなにハマっちゃったんスかね) そっけないし、厳しいし、プライド高いし。 上から目線だし。 好きになってもらえないし。 (でも好きだって思っちゃったんスよねぇ) さりげない優しさ。 それから、照れた時の可愛さ。 あとは、振り向いてくれないから必死になってるというところもある。 (けど、理屈じゃないっス・・・) 好きだから好き。 声が聞きたい。 顔が見たい。 会いたい。 『会いたい人はいますか?』 没になった方の質問メールの束をめくりながら、ちょっとした問いに目がとまる。 (緑間っち) 心の中で答えて、少し恥ずかしくなって、笑う。 どうしたら、こっちを向いてもらえるのだろう? キスしたら、怒るかな。 いつもと違う顔が見たいな。 (バスケしてる時だけじゃなくて。オレといる時も笑って欲しいんスよね) だから、無理を言う。 わがままを言う。 怒りながらも、でも、付き合ってくれる。 (優しいから?それだけ?オレだからって自惚れてていい?) しつこくするのも遠慮しないのも、そうしないとこっちを向いてくれないからだ。 ふと、思い立ってメールをする。 『会いたいっス』 一行だけど本音をストレートに。 何かを企んでも緑間には伝わらない事が多い。 (でも知ってて無視してる気がするんスよね。遠まわしに言えば言うほど、遠まわしにしか返して来ないから。ストレートで言えばストレートに返ってくる。なんなんスかね。わざと?天然?計算?どれ?) わからない事が多いから知りたくて、だから、会いたいし話したい。 思い出すのは真っ直ぐに伸びた背中。 それから、眼鏡の奥の目。 (押し倒したい) いっそ無理矢理やっちゃった方が自分の本気が伝わるかもしれないと、不穏な事を考えたり。 (それじゃ、ダメだけど) テーピングの巻かれた繊細な指先。 感じやすい手首。 ふざけたふりして口唇で触れるとびくっと震えるから、たまらない。 「緑間っちのばぁか・・・」 ぺしょんっとテーブルの上に突っ伏して、携帯電話を確かめる。 メールの返事は来ないままだ。 いつも同じ事を繰り返す。 (わがままだってわかってる) でも我慢ができない。 (オレのメール見て、いつもどんな顔してんの?) 面倒くさいとか、うざいとか、またか、とか。 きっとそんな風に思われてる。 (でも、嫌だとは言われない・・・) だから、可能性があると信じてる。 (オレの事、忘れないで) 気持ちがしょんぼりしてきた。 それを見越してなのか、たまたまのタイミングなのか。 やっぱり良くわからないまま、メールの返信が届く。 『何度同じ事を繰り返すつもりだ。最初から時間と場所を指定しろ』 いつもとは違う文面に3回くらい読み直す。 (うああああああっ) 携帯電話を握り締めて、叫びそうになった声を堪える。 (ばか。緑間っちのばか。オレの心臓止める気?) 一瞬、あり得ると思ってぞっとして、少し落ち着いた。 (だって、時間と場所を指定してその日はダメだって言われたくないんスよ) 緩む顔を元に戻せなくて、この控室に誰もいない事に感謝した。 (好き。ちょー好き) 真っ直ぐに伸びた背中に飛び付きたいし、繊細な手を握りたいし、眼鏡をはずしてキスしたい。 (恋愛、してるっスよ。片思いだけど) 誰にも言わないけど。 終わり |
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2012/06/25 |
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黄瀬は緑間にべたぼれでいて欲しい。 |
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