なんでもいいからなんとかして欲しい緑間くんの話

 
  ※ついったーでももしさんのイラストとツイートに触発されて書いたたものです。  
     
 


「黄瀬」

珍しく熱を含んだ声が耳元に響く。
引き寄せられるように腰に腕をまわされて、こんな展開は一ミリも想像していなかった黄瀬は内心戸惑いながらも抱き締め返した。
据え膳は遠慮なく頂く主義である。

「どうしたんスか?緑間っち」

手のひらで緑間の背中を撫でてみれば、ぎゅうっと強く密着してくる。

「は、やく、するのだよ」
「何を?」

思わず確認してしまう。
求められることは珍しく、むしろ初めてではないかと思えば、原因を探してしまう。
黄瀬は耳の下にちゅうっと吸い付いた。

「……んっ」

くすぐったそうに肩をすくめる緑間の耳朶にも噛みつく。
緑間が望んでいることは理解できたけれど、それはどこまで許されるのか。
あまりにも突然であったし、そして、今日はそのつもりではなかったはずだった。
荒い呼吸が肩越しに届く。

「黄瀬」

熱く甘く呼ばれる。
それは、下肢へと響いて、黄瀬の熱も上昇した。

「黄瀬」

繰り返し、名前を呼ぶ。
もっとはっきりと言えばいいのに、きっとそこはどうしても言えないのだろう。
背中をそっと撫でてやりながら、何かおかしなものでも食べたのだろうかと、緑間の肩越しに部屋の向こうへと視線を移すと、テーブルの上には箱がひとつ。

(あー、あれ、食べちゃったんスか…)

海外の土産だと渡されたのは、アルコール度数の高い洋酒が入ったチョコレートボンボンだった。
試しにひとつ食べてみたけれど、喉が焼けるような感覚が一瞬だけあった。
父親や親せきに一口飲んでみろと言われて飲んだビールなんかとはわけが違う。

「黄瀬、熱い…」

いくつ食べたのかはわからないが、緑間がこんなにアルコールに弱いというのは、盲点だった。
身体ごと甘えてくる程、熱に浮かされてしまうのであれば、実際に酒が飲めるようになった後など、危険極まりない。

「緑間っち、家以外でお酒飲むの禁止っスよ」
「酒など、まだ飲めないのだよ」
「20歳になってもオレと一緒じゃなきゃ、外で飲んだらだめっスよ」
「な、んで?」
「約束、してくんないと、シテあげない」
「…やくそく、する、から」

下肢を擦るように寄せてくる緑間を押し倒して、黄瀬は熱で潤んだ瞳を閉じるようにと、瞼へ唇を落とした。

(これ、きっと、寝て起きたら覚えてないパターン…)

翌朝の緑間の怒声を想像しつつ、それでも紅く染まる頬が愛しくて、口付けをした。

「黄瀬、も、なんとかするのだよ…」
「……、サイアク」

いろんなものを全て吹き飛ばすほどの威力で、酔っ払った緑間に誘惑される。
これで堕ちない人間がいるわけがない。
自分の前だからこうなっているのだと言い聞かせつつ、それでもこの先、緑間が酒の席でこうならないことを願わずにはいられなかった。



終わり



 
     
 

2013/09/23

 
     
 

※タイトルの通り、
なんでもいいからなんとかして欲しいとねだる緑間くんでした。