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身体だけでもせめて |
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| 診断メーカーより。 かづきの黄緑のBL言葉は 『身体だけでもせめて』。 http://shindanmaker.com/332586 |
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お互いの感情がどこに在るのかは、意識していなかった。 触れ合ってみれば、思ったよりもそれが心地好くて、流されるように本能に身を任せた。 気がついたら、体温を快楽を接触を欲し、感情はどこかにおいてけぼりにされていた。 「んっ…、あぁ…っ」 熱がじわじわと下肢から上へと伝い、甘い吐息を塞いで、欲しいままにその口内を貪れば、汗に濡れた皮膚が密着する。 欲を満たすが為に、奥へと押し進むと浮いた腰が受け入れるように揺れた。 その猥らで厭らしい姿がさらに煽る。 (緑間っち) 額に張り付いた前髪をそっと指でかきあげ、唇を落とす。 早く早くとしがみ付くその姿が堪らなく愛しいと思う余裕すらないまま、求められるままに抱き寄せる。 「き、せ…」 再び唇を重ね、持て余す熱を飲み込む。 (このままずっと) 終わらずにいれば、離れることもないというのに。 全てには、終わりがある。 何も考えられなくなるほど、ただ、欲に喘いで、求めて、放つものは、後に何を残すのだろうか。 (なにも残らない) ならば。 望むことは、身体だけでもせめて、この先も繋がれたらいいのに、と。 一つだけを、想い、終焉を迎えた。 *** 「何を、考えていたのだよ」 「なにって、なに?」 始末を終え、お互いに服を着たにも関わらず、どうにも離れ難くて、怠さを理由に黄瀬は緑間の膝を枕に寝転がっていた。 緑間も特に咎めることはせず、暇を持て余しているのか、黄瀬の髪をずっと撫で続けている。 「最中に、一度、泣きそうな顔をしただろう?」 眼鏡がなくとも、キスする程に近付けば見えるのだよと、緑間は言う。 ああ、見られていたのかと、黄瀬は恥ずかしく思いつつ覗き込む緑間の顔を見た。 下から見上げても、整った顔立ちは歪みひとつない。 「緑間っちがエロいからっスよ」 「……もう少し詳しく言え」 額を叩かれて終わるかと思えば、珍しくそうでもなかったから、心臓が飛び跳ねた。 それさえも気づかれないようにと、黄瀬は笑う。 「だから、離れたくないなって思ったら、なんか、よくわかんなくなったんスよ」 身体から始まった関係は、感情がどこにもなかったから、じわじわと生まれたこの想いをどう言えばいいのか、その術を知らなかった。 「そうか」 緑間は静かに頷いた。 それから、黄瀬から目を逸らし、暫くの間沈黙した。 黄瀬は、何かを言いたくて、言えなくて、しかたなく目を閉じた。 身体の底には、まだ先刻の熱が残り、緑間の甘い声が聞こえるような気がした。 (緑間っち) 名前を呼んだところで答えなど出てくるはずもない。 「黄瀬」 静かに呼ぶ声。 「一度しか、言わない」 緑間の手は優しく頭を髪を撫で続けている。 「オレは、オマエが好きだから、抱かれているのだよ」 淡々と、それでも、熱の含まれた、声。 驚いて見上げれば、背けられた顔の表情は良く見えない。 黄瀬は飛び起きてそのまま体勢を変えると、緑間を抱き締めた。 「緑間っち」 良く見れば、耳から首筋が紅く染まっている。 (ああ、どうしようもない) 緑間の耳朶に噛みついて、それから、耳元で囁いた。 「オレも、緑間っちが好きだから、抱いてしまうんスよ」 触れ合った身体から伝わるお互いの心臓の音が爆発しそうなくらい大きくなって、まるでひとつの鼓動のようだった。 終わり |
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2013/09/26 |
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※診断メーカーさんは、 |
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