203Qネタバレ

 
     
 


終わったと、思った。
やっと終わったと、思った。
もう終わったと、思った。
長かった。
短かった。
でも、きっと、足りなかった。

ずっと見ていた。
ずっと知っていた。

その強さは、必要とするものが増えればこそ、さらに増していく。
誰よりも誰かを欲していたのは、黄瀬だった。
一人じゃないという、強さ。
最後に頼る相手がいるという場所は、潜在能力を最大限に引き出していく。
パスを出す、判断力。
攻撃を阻む、スピード。
そして、何よりも負けないという、想いの強さ。

全ては、一人の力ではなく、一緒に戦う誰かの力が共にある。

いつもより、広く見えた背中。
全てに人事を尽くしたからこその成長の証。
きらきらと揺れた黄色の髪は、汗に濡れていた。

かける言葉はみつからない。
自分の時もそうだったのかもしれないし、そうでないかもしれない。
けれど、同じことを思ったに違いない。
お互いに、求めていたものは、高校で出会えた。
それは、自分では与えられないもので、黄瀬からは貰えないものだ。
だからこそ、改めて、大切なのだと思うのかもしれない。

来年という言葉にのせて、戦う機会はきっとこれからもあるだろう。
だから、負けない。

『要のいない』チームに負けるわけがないのだ。

それでも。

(残念だと、思う)

今の、オマエと、対峙したら、何が見えただろう。

緑間は、目を閉じる。
脳内で何度かシミュレーションを繰り返した。
擬似試合。
対戦した場合、どうなるか。どうするか。
それは、一方的な予測でしかない。
大会という、試合という、この特別な空間の特別な空気でしか、わかりあえないものばかりが増えていく。

明日、全てが終わったら。

(会いたい)

会って、抱き締めて、その全てを受け止めて。
それから。
来年のことを考えよう。


誰もいないコートを見詰めて。
先刻の試合を。
自分達の試合を。
反芻する。

後悔は残り、反省をする。
けれど、意識は明日へと向かう。
そして、来年へ。

けれど、今は、ただ。

(笑った顔が見たいのだよ)

それだけだった。



終わり



 
     
 

2013/03/04

 
     
 

誠凛対海常の試合を緑間くんに見ていて欲しかったのです。
見ていたかどうかは判らないけれど、
試合が終わった後に会場にいたということは、
見ていた可能性があると信じたい。
そして、緑間くんが「不本意」という言葉を発したため、
黄瀬くんが3位決定戦に欠場するという、
可能性が大きくなりました。
原因は、足の故障です。
黄瀬くんとマッチアップする緑間くんのディフェンスを、
見たかったので、とても残念に思うのですが、
ほんのわずかな可能性を願わずにはいられません。
せめて、3位決定戦の試合模様が、
1話でもかまわないので、描いていただけることを信じてます。
憧れの笠松さんとマッチアップする高尾くんも見たいので(笑)
現在の帝光中学編が終わるまでは、そっと、平穏でいたい。