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高尾くんの誕生日を祝う話 |
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[Date:20××/11/21 0:01:24] [From:黒子テツヤ] [Sub:お誕生日] [TEXT:おめでとうございます] 午前0時1分に届いたメールで、眠りに落ちかけていた意識が覚醒した。 (え?え?え?) 携帯電話を両手で握り締めて、何度も確認する。 まぎれもなく、それは、黒子からのメールで、間違いなく誕生日おめでとうの文字が並んでいた。 (なんで?なんで?) 誕生日を教えた覚えはない。 そんな話題になったこともない。 最近会ったのは、3日前だ。 ファーストフード店で待ち合わせて、オススメの本を交換して、それから、前日見たバラエティ番組の話と緑間が教室の出入口で頭をぶつけた話をした。 (緑間?え?真ちゃん?教えたの?いつ?いつ?いつ?) おは朝の占いを盲信している緑間が、レギュラースタメンの誕生日を把握しているのは知っている。 試合がある日は全員分の占いをチェックして、最下位だった星座の分までラッキーアイテムを準備していた。 それくらい誕生日と星座に神経質な緑間が、何かのついでに黒子へ誕生日を教えていたとしてもおかしくはない。 心のどこかで疑っていたおは朝の占いを信じている緑間に今だけは感謝したかった。 (でも、これは、不意打ち…) 携帯電話を両手で握り締めすぎて、指先が痺れてきた。 暗い部屋で、携帯電話の明かりだけが枕元を照らす。 家族、中学時代の友人、高校の友人。 寝て起きれば、いろんな人におめでとうと祝われるだろう。 (一番、が、黒子・・・) ベッドにぱたりと倒れこんで、携帯の画面を見詰めた。 16歳と1分に届いたメール。 シンプルな文字が並んでいるだけだというのに、口元は緩み、頬は熱い。 朝練もあるというのに、この時間まで起きていてくれた。 少なくともこのメールを送っている間は自分のことを考えていてくれた。 日付が変わる瞬間、黒子の意識は全部自分の方を向いていた。 それを想像するだけで、ふわふわとした嬉しさが湧き上がる。 (声が聞きてえな・・・) 今すぐはムリだからと、高尾はメールの返事を打った。 シンプルに。 嬉しくてたまらなかったこと。 満たされた想いのこと。 眠れなくて目が冴えてしまったこと。 それは、次に会った時に直接伝えたいから。 ベッドの上で、右に左にごろごろと転がる。 目を閉じれば、淡い水色の瞳が浮かんで消えた。 (好き・・・だ、なぁ・・・) 携帯電話にキスをして、高尾は頭から布団をかぶった。 今日の朝も早い。 わかっているけれど、眠れなかった。 [Date:20××/11/21 0:10:35] [To:黒子テツヤ] [Sub:サンキューな] [TEXT:一足早く、16歳になりました] 終わり |
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2012/11/21 |
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高尾くんのお誕生日を黒子くんに祝ってもらいました。 |
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