180Qネタバレ

 
     
 


「よっぽど仲間を信頼してねぇとしないはずっスよ」

今までの緑間だったら考えられないと言葉にしたのは、自分だった。
そして、自分が言った言葉に、胸が痛む。

(オレだって、信頼していたかって言われれば、そうじゃなかった)

チームメイトは自分も含めそれぞれに特技があり、自分の力を発揮することに夢中だった。
最終的には黒子のパスさえ必要ないほど、自分だけの力にばかり意識を集中させて、自分以外は何も見えていなかった。
あの時は、それで、勝ち続けていたからこそ、気付かなかった。
バスケットボールは一人でするものじゃないということを。
勝利を手にする為に一緒にいたチームメイトはばらばらになって、一人になって、初めてチームメイトという仲間を意識したのだ。

(オレも同じだけど・・・)

誰かを信頼すること。
自分以外に頼ること。
誰かに信頼されること。
それを黄瀬が覚えたのは、この半年ほどのことだ。
それでも、緑間のことを知っているのは、自分の方だと思っていた。
チームメイトを心から信頼することがあるなんて、思わなかったのだ。
最初の変化は、誠凛戦で見せたパスだった。
敵を引き付けて、味方にパスをする。
そんな緑間の姿を見たのは初めてだった。

(オレが緑間っちのシュートが打てたみたいに、緑間っちも成長してる・・・)

敗北を知ったからこそ、強くなり、成長する。
理屈ではわかっているけれど、感情に任せれば、ただただ、寂しい。
自分ばかりがその場に残されて、先を行く背中ばかりを追いかけていた。
帝光中学で一軍に上がったばかりの頃を思い出す。
どんなに手を伸ばしても届かない相手が何人も居た。
けれど、負けたくはなかった。
青峰に1on1を挑み続けたのは、負けたくなかったからだ。
誰もが敵わないくせにと笑っていた。
何度も何度も対戦して、結局まだ勝つことができない。
負けん気の強さを褒めてくれたのは黒子で、負けず嫌いを認めてくれたのは、緑間だった。

(ねぇ、緑間っち。今なら、オレのことも信頼してくれる?)

自分が驚いたように。
自分が寂しくなったように。
思ってくれるだろうか。
ボールを持たないままのシュートモーション。
タイミングを合わせて、飛ぶ。
真っ直ぐに伸ばした手の先に届くボールは、緑間の指先に触れ、ゴールへと向かう。

(キレイ・・・っスね)

高い弾道を描き、真っ直ぐに落ちていく。
それは、緑間自身のようだ。
外れることを覚悟し、その代わり仲間を信頼する。
見せ付けられたのは、明らかに変化した緑間の意識だ。

(緑間っちとは一緒にバスケしたいっていうより、戦いたい)

緑間をとめられるかどうか。
脳内でシミュレーションをしてしまう。
成長した自分が強さを向上させた緑間とマッチアップする。
そんな姿を一瞬だけ想像する。

(諦めが悪いのは、勝ちたいからでしょ?)

だから、勝つ為に進化していくのだ。


(ねえ、緑間っち。オレはまだ信じてるんスよ?)

赤司に勝つと言った緑間を。



終わり



 
     
 

2012/09/10

 
     
 

いろんな人がいろんな場所でもえてると思うんですけど、
私はやっぱり、黄緑で滾ったのを残しとかないと!って思って、
妄想を広げて捏造してみました。
もちろん、いままで同様後悔はするんだろうなぁ・・・と思うけど、
その時の勢いって大事ですよね!(良い笑顔)
微妙にこれ 
178Qネタバレ と繋がってます(笑)
黄瀬くんが、仲間を信頼することなんてないと思っていたくらい、
帝光時代の緑間くんは自分のことだけしか見えてなかったのかなぁ・・・って思うと、
ほんとに切なくて寂しい時代だったんだなぁ、と。
(キセキの世代の子達はみんなそんな感じだけど)
緑間くんは、基本的に視野が広くて、周りが良く見えていて
おせっかいでお人好しで優しいというのがちらほら見え隠れしてるから、
本当はそうじゃなかったんだろうなと。
真っ直ぐで真面目な緑間くんが秀徳だからこそ成長できたというのは、
本当によかったなぁ・・・って思います。
緑間くんが絶対100%の自信を持ったシュートしか撃とうとしなかったのは、
シュートが決まらなければ0だったからなんだろうなぁと。
今は、シュートが外れたら大坪さんが拾ってくれる、
シュートが打てなかったらパスが出せる、
0点ではなく2点に繋ぐことができる。
だからこそ外れる事を覚悟したシュートが、
撃てるようになったんだなぁって思って。
それが緑間くんの成長した『信頼』の形なんだなぁって。
思ったのでした。
そんな、感想。