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| 緑間誕生日カウントダウン☆ | ||
あと2日(黒子) |
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「緑間君、僕が君を苦手なのは君が僕を苦手だと思っているせいですか?」 「・・・・・・、どうしてそう思うのだよ」 言葉の意味を思案してなのか、少し間を置いて緑間が問う。 「僕は緑間君の事も尊敬しています。誰よりも努力家で誰よりも真面目にバスケと向き合っています。なのに、僕は緑間君が苦手です。その理由がわからない」 「相性が合わないのだよ。誰しも苦手だと思う相手がいるのは致し方ない。オレがオマエを苦手だと思うのは、必要な事だけでなく、余計な事まで見透かされているような気がするからなのだよ。一緒にいると居心地が悪い。だから黒子がオレを苦手だと思う理由は同じではないのだよ」 「いいえ。同じです。緑間君が僕を苦手だと思っている事を僕は知っています。だから、僕は緑間君が苦手なのかもしれない」 「黒子、オマエは影かもしれないが、鏡になる必要はないのだよ」 そう言った緑間の顔が思い出せない。 眩しい光に照らされて、目を開けた。 青空が視界いっぱいに広がっている。 (屋上・・・?) 弁当を食べた後、そのまま眠ってしまっていたらしい。 時計を確認するとまだ昼休みは終わっておらず、ほっと息を吐く。 (懐かしい、夢を見たような気がする・・・) 中学時代の記憶。 夕暮れの図書室で偶然向かい合わせに座った。 (見透かされるのが嫌だから苦手なのは、僕も一緒です) 感情の起伏は激しくない。 どちらかといえば、感情を表に出す事ができない。 それは緑間も同様で、いつも誤解を招いては、トラブルに巻き込まれていた。 (本人はあまり気にしていないようですが) 努力の上に特化したプライドの高さが身を守る鎧のように見えて、無性に叩き壊したくなる時はあった。 弱さを見せない事が強さだと思い込んでいる節がある。 (少し変わったかもしれない) ポケットの携帯電話を取り出して、メールを打った。 「何なのだよ」 待ち合わせのハンバーガーショップの2階、窓際の一番奥の席にいた黒子の元へ迷う事もなくやって来た。 不機嫌そうな様子を隠そうともしない緑間の眉間には皺が寄っている。 (緑間君は僕を見失わない) 黒子はバニラシェイクを飲んだままテーブルの横に立つ緑間を見詰めた。 「用はありません」 メールひとつで疑う事無く律義にやってくる。 本当に真面目で真摯なのだと黒子は思った。 「用も無く呼び出すな」 「夢を見たんです。緑間君と話している夢でした」 「正夢にでもするつもりか」 「そうですね。話してみたくなったので」 「話す事などないのだよ」 「でも緑間君は来てくれました」 緑間と真っ直ぐ向き合うのは、久しぶりだった。 バスケが係わらなければ、その目は穏やかで、無駄な緊張感もない。 「ちょっと待っているのだよ。オレも何か買ってこよう・・・」 「あ、それでしたら、これを使ってください」 ハンバーガーの無料券を3枚、緑間に差し出した。 「以前キャンペーンで当てたんですが、使用期限が今日までで、食べきれませんでした」 「・・・・・・ならばありがたく使わせて貰うのだよ」 緑間がそれを受け取って、階下に下りていく。 (何から話せばいいのかわかりません) 直接会ってしまったら、聞きたい事さえ思いつかない。 きっとそれを素直に伝えたら、さらに眉間に深い皺を寄せて、時間の無駄なのだよと言いながらも、ハンバーガー3つ分の時間は待ってくれるのだろう。 緑間とはそんな人だ。 (だからお互いが苦手なんですよ) 話さないからこそ知っている事がある。 (苦手だけど嫌いじゃないんです) ずっとそんな関係だった。 終わり |
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2012/07/05 |
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緑間っちの誕生日に全力を尽くす! |
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