緑間誕生日カウントダウン☆  
 

あと3日(紫原)

 
     



自室で課題を終え、ふと一息ついた時、電話が鳴った。
こんな時間に珍しいと着信を見ると、また珍しい名前が表示されていた。
「どうしたのだよ」
『ミドチンげんき〜』
その独特な間延びした話し方を久しぶりに聞いたと、無意識に口元を緩ませる。
「元気なのだよ。・・・何の用だ?」
『んも〜、ミドチン、せっかちすぎるよ。久しぶりなのに』
「オマエが電話をしてくるくらいなのだから、急ぎの用事があったんじゃないのか?」
『ちがうよ。声が聞きたかったんだよ』
子供じみた言い方で、素直に自分の気持ちを伝えてくる。
そんな紫原が緑間は苦手だった。
「明日は雪か」
『も〜、なんでミドチンはすぐそーゆーこと言うの?照れなくたっていーのにぃ』
図星を指されて、咳払いをする。
2メートルをこす身長の大柄な姿からは想像出来ないくらい、紫原はマイペースでかなり自由奔放だ。
他人をバスケを突き放しているくせに、一人でいるのは嫌だと全身で訴えてくる。
「照れてなどいないのだよ」
『どーでもいーけど。あ、まいう棒があと4本しかない』
いつも何かを食べていては、常に怒られていた姿を思い出す。
きっと、それは今でも変わらないのだろう。
環境が変わったところで、紫原自身が変わることはない。
「高校でも食べながらバスケをしているのか?」
『だって食べないと動けなくなるし〜』
「そんな事はないのだよ。ちゃんと食事もとっているんだろうな?」
『食べてる〜。寮のごはん、おいしいんだよね。たくさん食べても怒られないし、なくならないんだよ。ミドチンも食べにきなよ』
現実に難しい事を簡単に言う。
無理難題だという事を理解していないのかそれともわざとなのか。
言葉の中に本音を探して、緑間は紫原の表情を想像する。
「無茶を言うな」
眉尻を下げて、しょんぼりした顔の紫原が脳裏に浮かぶ。
それでも嘘はつけない。
『そーじゃなくってぇ。ねえ、オレがいなくてさびしいとかないの?』
「さびしいのはオマエの方なのだよ、紫原」
『さびしいとかよくわかんないんだけど』
「そのうち覚えればいいだろう」
本当はもうわかっているくせに。
電話をしたいと、誰かと話したいと、思った時は、一人でいたくない時だ。
そんな時に電話を寄越すくらいには、紫原の中にまだ自分が残っていたのだと思えば、少し嬉しい。
『また電話していい?』
「好きにしろ」
『わーい。今度こっち限定のまいう棒送るね』
「いらないのだよ」
『えー、おいしいのにぃ』
「オレに寄越す分があるのなら、オマエが食べればいいだろう?」
『そっか。そーする。ねえねえ、ミドチン』
「なんなのだよ」
『オレ、ミドチンに会いたいよ。オヤスミ〜』
緑間に答える隙を与えず、通話が切れる。
本当にマイペースだ。
マイペースというか自分勝手だ。
「・・・おやすみなのだよ」
通話の切れた携帯電話にぽつりと呟く。
紫原の行った高校は秋田の代表としてインターハイにやってくる。
その時に会えるかどうかはわからない。
気まぐれな紫原が思い出せば電話をしてくるかもしれない。
(確率は低そうなのだよ・・・)
そして振り回される。
だから、緑間は紫原が苦手だった。



終わり



 
     
 

2012/07/04

 
     
 

緑間っちの誕生日に全力を尽くす!
だれかと緑間くんということで、紫原くんです。
まだ18巻を読んでなくて、本誌も読んでなくて、
紫原くんの性格がよくわかってないまま書いてました。
心を許した相手には甘えっこなところを隠さないイメージでした。
実際はどうなんだろう・・・。

 
     
 

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