緑間誕生日カウントダウン☆2013  
 

あと1日(青峰)

 
  高校2年生の設定で、お付き合い済です。
緑間くんの誕生日を祝う青峰くんの話。
 



この部屋に、緑間を呼ぶのはどれくらいぶりだっただろうか。
忙しいを理由に、二人で過ごす時間をずっと失っていた。
耐えられなくなったのは俺だったが、何も言わずにやってきたということは、緑間も同じことを思っていたのかもしれない。
ただ、断られるとは思わなかった。
それだけは自信があった。
緑間はいつだって、最後には頷くと知っている。
いつまでも優しすぎる男だった。


触れた肌が熱い。
首筋から形を辿るように滑らせて、鎖骨、それから、胸を撫でれば、びくりと身体が震えた。

「くすぐったいのだよ」

形を探る指先から逃げようと後退さるけれど、その先は壁だ。
もう、どこにも行けない。
追い詰める緊張感で、空気がピンと張り詰める。

「青峰」

呼ぶ声。
それから、荒くなる呼吸。

「やらしいな」

唇の端を舐めて、間近にその目を覗き込めば、深緑色に自分の顔が映る。
眼鏡をそっと抜き取って、もっと近くで硝子玉のような瞳を見詰めた。
この目に、自分はどんな風に見えているのだろう。
好きだと繰り返す姿は、滑稽か?
少しでも意識はされているのか?
見透かすような視線を巡らせるけれど、本当は何も見えていないんじゃないか?

「なぁ、緑間」

名を呼べば、瞳が揺れて、緑間が青峰の目を捕えた。

「俺は、お前の……」

何かになれているか?
緑間の頬を両手で包んで、そのまま唇を重ねる。
好きだと、触れるだけで伝われば、苦労しない。
疑われる全てが、心臓を痛めるから、苦しい。
逃げようとする舌を絡め取って、吸い付いて、その口内を余すことなく貪れば、酸素を求めて開いた口の端から滴が零れていく。
欲しいと望んで、求めて、そこから先がわからない。
名残惜しむように離れて、口の端を舐めとって、もう一度見詰め合えば、息苦しさに潤んだ瞳がゆらゆらと揺れている。

「青峰」

名前を呼ぶ。
その声が、たまらない。

「好きだ、緑間」

我慢できずに、その身体をぎゅうっと抱き締めて、ぴったりと隙間なく重ねて、欲しいと強請る。
こんなにも近くにいるのに、どこか遠い。
お前は、俺が好きか?
その一言が聞けずに、その身体に甘えてしまう。
耳朶にそっと甘く噛みついて、低く囁く。

「誕生日なんだろ?おめでと」

ふ、と笑う気配の後、背中にまわされた腕に抱き締め返された。
それから、暫くの間、お互いの体温を感じ合った。
言葉はひとつも交わさなかった。



誕生日、おめでと。



 
     
 

2013/07/06

 
     
     
     
 

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