緑間誕生日カウントダウン☆2013  
 

あと2日(黒子)

 
  高校2年生の設定で、お付き合い済です。
緑間くんの誕生日を祝う黒子くんの話。
 



静かに降り積もるような愛しさを伝える術がないことがもどかしいと思うけれど、それよりも側にいることのできる幸せを共有したい。
お互いに言葉が足りないと自覚はしている。
それでも、足りない部分を補おうとはしない。
二人とも頑固だと、時々思う。

(譲るタイミングが、どうしてもずれてしまう)

話せば、分かり合える余地が多々あるというのに、分かり合った後で、再びずれるのは、どうしてなのだろうか。
一人歩く緑間を確保するのは、容易い。
根回しは、ひとつだけ。
常に送迎をしている彼にメールを送るだけだ。
聡い人は、きっと上手に対応してくれる。
おかげで嫉妬することも多いのだけれど、協力者としては心強い。
気配を消して、後ろを歩くのも嫌いじゃない。
真っ直ぐな背筋と夏服の白いシャツ。
中学の時と比べれば広くなった背中が、中学の時より近く感じるのは、心の距離のせいか。
愛しいと、爽やかな風が前髪を揺らすのを合図に、黒子はその背中に声をかける。

「緑間くん」

小さく肩を揺らした後、歩く足を止めて、振り返る。

「オマエはもう少し普通に声をかけられないのか」
「普通に声をかけたつもりですが?」
「気配を消して近付くなら、せめて正面から来い」
「それでは意味がありません」
「悪趣味なのだよ」
「ひとつくらい優越感に浸らせてください」
「ひとつどころじゃないくせに」

溜息を吐く時に目を伏せる仕種を見上げるのが好きだから、きっとやめられない。

「緑間くん、お誕生日おめでとうございます」

覚えた手品を披露するように花束を差し出した。
プレゼントはなんでもよかったのだけれど、何もないところから取り出すのであれば、色とりどりの花束が華やかでいい。

「ありがとう」

突然現れた花束に驚いて、目を見開いて、それから眉間の皺が消えた。

「緑間君、ちょっといいですか?」

手招きをすると、緑間が躊躇いもなく顔を近付けてくる。

(無防備…)

それを嬉しいと思うのだから、本当に救いようがないと、黒子はそっと苦笑した。
心を許されている瞬間を感じるだけで、幸せだと思ってしまう。
花束で近付いた顔を通りから隠し、そのままキスをする。
驚いて反射的に逃げようとする緑間の襟首を掴んで、深く味わうように口付けをすれば、甘い愛しさで満たされていく。

「好きです」

離れる頃には、緑間の頬は紅潮し、少し乱れた呼吸が雄を誘う。

「……オレもなのだよ」

こつんと額を合わせて、照れたように目を伏せた緑間がどうにもかわいらしくてたまらない。

「また、来年も祝いたいです」
「また、来年も祝って欲しいのだよ」

間近で見詰め合って、それから、優しく笑い合った。
こんな時間が永遠に続けばいいと願ってしまう瞬間だった。



誕生日おめでとうございます☆



 
     
 

2013/07/05

 
     
     
     
 

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