緑間誕生日カウントダウン☆2013  
 

あと6日(宮地)

 
  高校2年生の設定で、お付き合い済です。
緑間くんの誕生日を祝う宮地さんの話。
 



呼び出したのは、高校の近所にあるたい焼き屋の前だった。
学校帰りの高校生の空腹を満たすのに貢献しているありがたい店だ。
部活の後だからと、ほんの少しだけ気を遣ったのとこの店のたい焼きが食べたかったのと、理由は二種類あった。

「よお」

学校のある方からやってきた緑間は、開襟の白シャツで妙に涼しそうだった。
今日の気温は30度を超え、日が暮れた今でもじっとりと汗ばむくらいの暑さを保っているというのに、あまり体温を感じさせないのは、色白い肌のせいか。
それとも、ラムネの瓶におさまっているビー玉みたいな双眸のせいか。

「おつかれさまです」

ぺこりと頭を下げるのは、制服を着ているからか。
付き合い始めて4ヶ月。
時折生意気で、我がままを言うけれど、態度は付き合う前と変わらない。
先輩と後輩の距離感が一メートルくらいある。
宮地はたい焼きを五つ買って、一つにかぶりついて、残りを緑間に押しつけた。

「やる」
「ありがとうございます」

緑間が遠慮をせずに受け取るようになったのは、宮地のせいだ。
多いとか、いらないとか、少しでもそんなそぶりを見せれば、捨てると言いだす。
冗談かもしれないが、本当にやりかねない怖さがそこにあるので、緑間は宮地から与えられたものはそのまま受け取った。
宮地が先に歩きだしたので、緑間はその横に並んだ。
どこに向かうのかはわからなかったが、日の暮れた住宅街にひと気はない。

「誕生日、おめでとう」

たい焼きをひとつ、頭から齧った緑間に言う。
付き合い始めて初めての誕生日だ。
夜景の見えるレストランは無理でもカフェなどで、ケーキと一緒に祝ってみたかったが、平日で、相手は高校生で、そんなことを考えてるうちに全部が面倒になったのだ。
緑間は、驚いたように目を見開いて宮地を見詰めた。
何を驚くことがあるというのだろう。

「覚えてたんですか」
「お前、去年もスタメンで祝ってやったじゃねぇか」
「最近、忙しそうだったので」
「確かに新しい生活始まって、慣れねえことも多いけど、恋人の誕生日忘れるほどじゃねえし」

ぴたりと足をとめたら、緑間が一歩だけ先に行く。
振り返った緑間を見詰めたけれど、その表情からはなにもわからない。

「寂しいとかそーゆーの、言わねえとわかんねえんだって、何度言わせりゃ覚えんの?轢くぞ?」
「……宮地さん」
「なんだよ」
「好きです」
「知ってるっつーの」

緑間の腕を掴んで引き寄せて、キスをして、そのまま抱き締める。
言葉の足りない緑間の精一杯の甘えが好きですというものに集約されていると、気づいたのは最近のことだったかもしれない。

「誕生日おめでと」

近付いた耳元にもう一度言う。

「ありがとうございます」

ぎゅうっと抱き締め返されて、宮地は笑った。



Happy Birthday☆



 
     
 

2013/07/01

 
     
     
     
 

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