緑間誕生日カウントダウン☆2013  
 

あと4日(高尾)

 
  高校2年生の設定で、お付き合い済です。
緑間くんの誕生日を祝う高尾くんの話。
 



午前6時。
緑間家の前。
自転車とともに参上!と、自分で自分のテンションをあげあげにして、インターホンに手を伸ばせば、それより先に玄関のドアが開いた。

「ハッピーバースデー、真ちゃん!」

音のないクラッカーがはじけて、カラフルな紙テープが緑間の髪や肩にひっかかった。
まるでリボンをまとったように似合うから、高尾の笑いが止まらない。
音なしを選んだ早朝のご近所さんへ配慮に気づいてもらえただろうか?

「何の真似なのだよ」
「んー?お祝い?やっぱ誕生日にはクラッカーっしょ?朝イチで直接おめでとうって言える特権を最大限活用したってヤツ」

手元のクラッカーの残骸を引き寄せれば、緑間に絡まっていた紙テープもするすると高尾の手元までやってきた。
まとめて片付けて、にっこりと笑えば、拳骨ではなく溜息だけが零れる。

「誕生日だってーのにムツカシイ顔してんなって」
「誰のせいだと思っているのだよ」

呆れてはいるけれど、怒ってはいない。
だから、自転車から降りて、緑間に近づいて、両手を伸ばして、襟元を掴んで引き寄せて、ちゅってキスをする。
今度はちゃんと拳骨が脳天をかち割るくらいの勢いで降ってきた。

「いってええええええ」
「バカか!」
「照れんなよ。いつまでも慣れねーのな」
「照れてなどいない。家の前ではやめろとあれほど言っているにも関わらず言うことを聞こうとしないオマエが悪いのだよ、高尾」

完全に怒ってしまった緑間はリヤカーに乗らずに歩き出してしまう。

「ちょ、待って。待ってよ、真ちゃん」

慌てて追いかければ、早朝の静かな住宅街にガタガタとからっぽのリアカーの音が響く。

「ごめん。ごめんって。ちょーしに乗り過ぎた俺が悪かったって」

自転車を引いて隣りに並べば、深い深い溜息が返ってくる。

「真ちゃんが、今日生まれたから俺と出会えたんだって、感謝してんだよ。嬉しくてたまんねぇの伝えたかったの」
「……。意外とロマンチストなのだよ」
「好きになったらそーなっちゃうもんなんだよ」
「バカめ」
「そこは、オレもなのだよって答えるところっしょ?」
「誰が言うか」

ぴたりと高尾が立ち止まると、一歩だけ先に行った緑間が振り返る。
ちゃんと気づいてくれる、そのことがどれだけ嬉しいか、緑間は知らないだろう。
知らなくていい。
これは、自分だけの宝物のひとつだ。

「真ちゃんの誕生日だから、じゃんけんなしでいーぜ。乗ってけよ」
「じゃんけんをしても結果は同じなのだよ」

ほんの少し口元を緩めて、緑間がようやくリアカーに乗り込んだ。
いつもと同じ重さを感じて、高尾はゆっくりと自転車を漕ぎ出した。
いつもと同じだけれど、いつもと違う日。

「真ちゃん、今日も好きだぜ」

毎日好きだって言えるのは、今日生まれてくれたから。
感謝と愛をこめて。



Happy Birthday☆



 
     
 

2013/07/03

 
     
     
     
 

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