12月23日

 
     
 


街が駅が住宅が、きらきらと光るイルミネーションで彩られ飾られていく。
LEDのカラフルな光が、宵闇を仄かに照らして、きらきらと輝いている。
ジングルベルから始まるクリスマスソングは、どこからも聞こえて、空気がざわめき、年末へ向かう忙しさを隠しながら、ふわふわと浮かれた。
駅前のクリスマスツリーを緑間が黄瀬と一緒に見たのは、去年の話だ。
ひと際大きなツリーは白と青の2色に輝き、てっぺんの星だけが金色に光っていた。
今年もまた、駅前には大きなツリーが12月の初めから道行く人の視線を奪うように煌いている。


***


『クリスマスって、気軽にプレゼントができていいっスよね』

金色の星と同じようにキラキラした髪を揺らして、黄瀬が弾んだ声で笑う。

『だって、誕生日っておめでとうって祝うけど、クリスマスはお祝いじゃないし。でもクリスマスだからって、プレゼント渡せるのがいいんスよね』

だから、黄瀬サンタからのプレゼントっスと、緑間に渡されたのは黄色のリストバンドだった。

『使えるか、ばか者』
『使わなくていいんスよ。これ見てオレのこと思い出して欲しいだけっスもん』
『だからバカなのだよ』
『お礼はちゅーでいいっスよ?緑間っちサンタからのプレゼント』

どこかのアイドルのように唇をそっと突き出して人差し指をあててみせる黄瀬に緑間が呆れたような視線を送る。

『・・・だからバカだというのだよ。サンタではないがな』

溜息混じりに緑間がコートのポケットから取り出したのは、小さな包みだった。

『え?うそ?マジで?』
『・・・・・・。オマエはオレを何だと思ってるんだ』
『だ、だって、嬉しいっス』

答えになってない答えが、戸惑いを伝える。
緑間は苦笑したまま黄瀬の手のひらに小さな包みをのせた。

『双子座の明日のラッキーアイテムなのだよ。ついでのクリスマスだ』
『もう、どっちでもいいっスよ』

全身で嬉しさを表した黄瀬が緑間に抱きついた瞬間、ものすごい勢いで殴り飛ばされたのは、照れ隠しだったとしても酷すぎだったと、黄瀬は後から何度か繰り返した。


***


今年から3年間、クリスマスを一緒に過ごすことはできないだろう。
そうでなければ、ならない。
去年と同じようにきらきらと光るクリスマスツリーを見上げて、緑間は笑う。
ツリーのてっぺんを飾る星は、今年も金色に輝いていた。



終わり



 
     
 

2012/12/23

 
     
 

クリスマスカウントダウンらしく、
クリスマスっぽい話を。

 
     
 

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