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12月24日 |
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『メリークリスマス☆』 夜にメールを送った。 試合が終わって、数時間。 少しは高揚した気持ちが落ち着いただろうか。 クリスマスイブの夜。 なんとなく、街の浮かれた空気に触れれば、なんとなく、気にはなる。 明日も明後日もずっと試合が続く。 それでも、その隙間にそっと気が抜ける瞬間があればいい。 試合会場でその姿を目にすれば、嬉しさよりも緊張感が先に立つ。 同じチームで戦っていたそれぞれの強さは、お互いが良く理解しているからだ。 ばらばらになったところで、個々の強さが変わるわけではなく、むしろ春から冬にかけて徐々に強さを増しているのを目の当たりにして、生まれるのは期待と興奮が入り混じったような感情だった。 真っ直ぐにゴールへと向かうスリーポイントシュートは、見惚れるほど美しいままだ。 むしろ春よりずっと精度が増していた。 真面目な緑間のことだ。 今までと同じようにずっと黙々と練習を続けていたのだろう。 キセキのナンバーワンシューターが秀徳でもナンバーワンシューターとして根付いている。 ポジションは違うけれど、エースという肩書きを背負っているのは一緒だ。 (勝つことしかできないっスけど・・・) 駅前のクリスマスツリーを去年一緒に見た。 練習の後、誘ったら簡単に了解されたのを覚えている。 青と白で彩られたツリーはきらきらと輝いていた。 『メリークリスマス。浮かれるのは全部終わってからにするのだよ』 ツリーのてっぺんにある金色の星をぼんやりと眺めていたら、メールが届いた。 (わかってるっスよ・・・) わかってることをわかってるのもわかってる。 携帯電話を握り締めて、自然と顔がほころんでいく。 明日も勝てる。 そんな自信が沸いてくる。 (我ながら単純だけど、そうじゃないと) 去年、ラッキーアイテムだと渡されたクリスマスプレゼントは、小さな鈴の付いた星型のキーホルダーだった。 これをどんな気持ちで選んでくれたのかと思えば、嬉しくないはずがない。 今も毎日持ち歩く家の鍵につけていることは、緑間には内緒にしていることのひとつだった。 終わり |
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2012/12/24 |
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メリークリスマスイブ☆ |
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